【信用取引コラム 実践編】
第6回 ピラミッティングとストップロス 投げ売りか?ナンピン買いか?

2015.01.26

買った後、予想通り上がった!利益確定売りか?買い乗せか?

予想に反して下がった!投げ売りか?ナンピン買いか?

答えは明らかです。予想に反した動きに付き合うのは理屈に合いません。負けを素直に認める事です。動揺している(損がいくらになるのか?どうしてこうなるのか?)自分の心に耳を貸してはなりません。相場のいう事に耳を傾けるべきです。

信用取引で利益を上げるのは買い乗せです。予想通りの動きになった事を、高く評価すべきで、利益確定はその価値を限定させてしまう勿体ない行為です。買い乗せのタイミングはマイナートップ(直前までの高値)を抜いた時が、シンプルでわかり易いでしょう。

筆者の友人がやっている方法を1つご紹介します。仕込む銘柄数は5銘柄から多い時で10銘柄位です。第4回で述べた「汗」をかいて調べた買い銘柄を、更に厳選して現物で買います。この時現金はほとんど残しません。そして、基本的にナンピン買いはしません。自信のある銘柄ですから目いっぱい買います。ただし、市場全体の下げの影響を受けますから、それを軽減する為、マーケットがプラスの日に、ETFで信用売りをします。手数料負担を考えて、1570日経レバETFを使っているようです。ヘッジ比率は2-3割。従って、研究して選んだ銘柄を現物で複数銘柄、目いっぱい買って、同時にETFでヘッジ。これがスタートの形です。

それからは、マイナートップを抜いた時点で信用で買い乗せます。2階建てになりますが、複数銘柄を保有していますし、ヘッジもしていますから許されるでしょう。これはマイナーボトム(直前の安値)を切らない限り続けます。マイナーボトムを切ったら現物、信用両方売ります。ストップロス(損切)は、ファンドでは-12%、-15%、-20%等を使いますが、この場合は何%にするか悩む必要はありません。マイナーボトムを割れた時が、売りのタイミングで、利益が出たら「利益確定」、損が出たら「ストップロス」とその売り行為の名称が変わるだけです。最初に買った複数銘柄の内で、継続的に上がる、所謂出世株が出たら、それに付き合って買い乗せて行くわけですから、大きな利益となります。

このマイナー「トップ・ボトム」法の勝利確率は統計的には52%だそうです。誰かが集計した統計ですが、定かでありません。この「トップ・ボトム」法は新値足投資法と似ていますね。新値足投資法の確率もやはり50%に近いようです。「そんな確率では儲からない!」ですね。この勝利確率を大きく高めるのが、①銘柄の選択力と、②買い乗せの株数と、③このゲームのスタートの位置です。

①銘柄の選択には何度も言うように、「汗」を掻いて下さい。掻いた汗の量だけ勝利確率は高まります。

②買い乗せ株数がピラミッティングの由来ですが、買い乗せするごとに株数は少しずつ少なくしていきます。多くしたり、同株数では、ピラミットの形になりません。3000株買った銘柄が、マイナートップを抜いたところで2000株買い乗せ、押し目がマイナーボトムを下回らない内に反発し再びマイナートップを抜いたところで1000株買い乗せと言った感じです。1000株が単位株なら次も1000株です。出世株になるとピラミットと言うより、スカイツリーのようになります。2000株買う時と1000株買う時のマイナートップは当然違うものですね。信用担保が足りなくなることを心配する必要はありません。スカイツリーのようになる銘柄は簡単には出ません。もしたくさん出て、信用枠が足りなくなったら、相対的に動きの悪い保有株を、余裕を持って外せば良いだけです。

そして、勝利確率を決定する一番の要素は、③スタートのタイミングです。選んだ買い銘柄が、底値揉みあいをしていたら、優良な仕掛けタイミングと言えます。これらの条件が合えば、勝利確率は60%にも70%にも上がってきます。

この「トップ・ボトム・ヘッジ付き」法の続きは、最近の事件も含めて次回。



平野 憲一(ひらの けんいち)
株一筋40年マーケットアナリスト
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌など出演多数
日本証券アナリスト協会検定会員

~略歴~
1970年   立花証券株式会社入社
2006年   同社執行役員就任
2014年7月 個人事務所 K ASSET 代表マーケットアナリスト就任

ブログ『平野憲一の株のお話』


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