【投資信託コラム】
 第2回 相性の良い組み合わせ

【1】ファンドの本数は15年で6倍に!

過去15年間で投資信託の「純資産額」は約4倍になりました(図表1参照)。2008年の金融危機を受けて一旦大きく減少したものの、過去数年間の日本株の上昇や円安傾向を受けて、再び金融危機直前に迫る勢いです。一方、「本数」は市場の変動に関わらず、ほぼ右肩上がりで増加し続け、過去15年間で約6倍に増加しました。投資家の人気が分散・多様化し、様々なニーズに答えるべく、新たな投資信託が次々と組成されているためです。

(図表1)ファンドの純資産額と本数の推移

※ 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金及びファンドラップ専用、ETF等は除く)
※ 期間:2003年7月~2018年7月(月次)
出所 モーニングスター作成

【2】1本、1種類に限定せずに組み合わせてリスクを抑える

約4,500本のファンドの中から、これと思う1本が決まったら、次は「組み合わせ」を考えることが重要です。過去10年間の価格の推移をみると、国内REITの運用成績が最も良好でしたが、価格変動もかなり大きくなっています(図表2参照)。特に金融危機の前後では円高と株安が同時に進んだことで、一時的に価格が半分以下になるファンドもありました。価格が上昇している時はいいですが、一時的にでも大きく下落すると、先行きが心配になったり、売却したくなるのが人間の心理です。長期の資産運用では、こうした事態を避けるために、価格変動が異なる他の投資信託と組み合わせて持つことで、資産の価格変動を抑えることを目指します。

(図表2)主要6資産と全ファンド平均の価格推移

※ 主要6資産と全ファンド平均の価格推移はモーニングスターインデックス(単純)に基づく
※ 期間:2008年7月~2018年7月(月次)
出所 モーニングスター作成

【3】人気資産の組み合わせでは意味がない?

それでは、実際に価格変動を抑えるためにはどのような「組み合わせ」を選べばいいのでしょうか。「組み合わせ」を考える際に重要な指標の一つとして「相関係数」があります。「相関係数」とは、2つの指数の価格の連動性を数値で表したもので、+1.0~-1.0の範囲で表されます。+1.0であれば、2つの指数の価格は100%連動していることを、逆に-1.0であれば2つの指数の価格は逆の動きを示していることになります。例えば、ここ数年、好調なパフォーマンスなどを背景に人気を集めている先進国株式と、新興国株式、ハイイールド債券、新興国債券、海外REITとの「相関係数」をみると、いずれも0.8を大きく上回っています(図表3参照)。つまり、人気の資産だけを保有しても、ほとんど同じような価格の値動きとなってしまい、儲かる時は大きく儲かるけれど、損する時も大きく損する可能性が高くなっているのです。逆に、相関係数の低い資産を組み合わせると、あたかもお互いの価格変動が打ち消しあうかのようになり、保有する資産全体では価格変動を抑えることができます。例えば、先進国株式であれば、為替ヘッジありの先進国債券や国内の債券との相関係数が低く(図表3参照)、「相性がよい」ファンドといえるでしょう。

(図表3)先進国株式(日本含む)と他の資産の価格連動性

※ 価格連動性は、2018年7月末までの過去10年間の月次トータルリターンに基づく相関係数
※ 各モーニングスターカテゴリーインデックス(単純)に基づく
出所 モーニングスター作成




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