【投資信託コラム】
 第7回 短期運用と長期運用の比較

投資においては短期的な資産価格の値動きに一喜一憂せず、長期的な値上がりを目指すことが重要です。例えば、株式投資を例に見ると、株価は日々のニュースなどで上下動しますが、長期では投資対象国の経済成長や企業業績の拡大を背景に上昇基調になると期待されます(図表1参照)。

(図表1)投資資産の価格変動イメージ

出所 モーニングスター作成

短期投資は、タイミングをうまく捉えると、短期間で大きな利益を得ることが可能ですが、運用に失敗するとそれだけ損失も大きくなります。2017年のTOPIXの推移をみると、年間で19.69%上昇した強気相場の年となりましたが、2018年上期は一転して▲4.77%の下落となりました。特に2月、3月は立て続けに▲3.73%、▲2.94%の下落に見舞われました。2017年6月末に購入し、同年12月末に売却すると12.76%のリターンとなりますが、実際にそのタイミングを見計らうことは容易でありません。

■長期投資でリターンを安定化

一方で、長期投資は売買タイミングを気にせず運用が行えます。過去40年間において、TOPIXに投資した場合の投資期間別のリターンを見てみましょう。1年間投資した場合の最大上昇率は68.07%で最大下落率が▲46.48%と、その差は114.55%とブレ幅が大きくなっています。しかし、期間を延ばした10年間の投資だと最大上昇率20.18%と最大下落率▲7.54%と、その差が27.72%にまで縮小しています(図表2参照)。平均上昇率は大きく変わっていないことから、短期投資よりも長期投資の方がリスクを抑えて安定的なリターンを得ることが出来ると言えます。

(図表2)TOPIXの投資期間別リターンの推移

※ 月次ベース
※ 期間は1978年7月末から2018年7月末まで
出所 モーニングスター作成

■コストを抑える長期投資

また、投資をする際には売買コストを考慮する必要があります。投資信託のコストとして、信託報酬は投資信託を保有している間は継続的にかかりますが、購入時に支払う販売手数料と、解約時に支払う信託財産留保額は売買するたびにかかります。そのため、保有期間が長くなれば1年当たりのコストが下がることになります(図表3参照)。販売手数料3.0%、信託報酬1.5%、信託財産留保額0.3%と仮定した場合、1年当たりのコストは1年間保有すると4.8%ですが、10年間保有すると1.8%まで抑えられます。

(図表3)1年当たりのコストの比較

※ 販売手数料3.0%、信託報酬1.5%、信託財産留保額0.3%と仮定
出所 モーニングスター作成

マーケットを日々チェックし利益を追求することが好きな投資家にとっては短期投資が良いかもしれません。しかし、住宅購入や老後の備えなどの資産形成のために運用するのであれば、リスクやコストを抑えることが出来る長期投資の方がお勧めです。立花証券ストックハウスの「じぶん年金シミュレーション」では長期投資を前提として、投資家にとってお勧めの投資信託が選択できます。


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