【資産運用コラム じぶん年金・NISA編】
第3回 個人年金・NISAへの基本的アプローチ
2014.12.10
これまで会社員中心の話をしてきましたが、立花証券ストックハウスのお客様には自営業の方もたくさんいらっしゃると思います。私も個人事務所を立ち上げてから、自営業の厳しさを身をもって体験中ですが、自営業の方のゆとりある老後生活資金の獲得の必要性はもっと切実です。従って、基本的には、厳しい現役世代や自営業の方の為のコラムでもありたいと思っています。一緒に資産運用の方法をこれから考えていきましょう。もちろん、悠々自適のリタイヤ世代の方も更なる余裕を求めて、あるいはお子さん世代やお孫さん世代に資金援助が出来るように一緒に勉強していきましょう。
まず、自営業の方は退職金がありませんが、小規模企業共済に加入して退職金を準備することができます。また国民年金基金に加入して将来の年金額を増やすこともできます。「確定拠出年金・個人型」に加入する事も出来ます。これらはそれなりの税制面での優遇も受けられます。しかし、これらは皆さんご存知でしょうし、既に利用なさっている方も多いと思います。また、少しずつの積み立てが基本ですから、30代、40代の方には有効ですが、50代以降の方には、並行して利用していただくという事で、ここでの資産運用・資産形成と言うテーマの範囲ではないので、これ以上の説明は省きます。
さて、資産運用をして、資産の形成をするためには、当たり前の事ですが、そのもとになるある程度の資金が必要です。もちろん現時点では十分でない方が多いと思いますが、健康に気を付けて、無駄使いせず、日々の生活費の中から運用資産への資金の流れを、どんなに細くても良いので、しっかり造っておくという事がまず第1に重要です。 資産形成で大をなした方の話を聞くと、相場に当たったことが大きな理由ですが、相場に外れて思うように資産が増えない時、相当額の新規資金をつぎ込んでいるケースがほとんどです。年配者が余命を考えて運用資産を取り崩すのは悠々自適の象徴ですが、現役世代が資産運用の途中にその儲けを生活費に充てるようでは資産形成は成功しません。また、公的年金の不足分を補うものですからハイリスクの投機も選択できません。
其の上で、独自の個人年金を作る事が、第2の作業です。個人年金と言うと生保各社が商品として売り出しています。税制優遇もついて悪くは無いと思いますが、当社ストックハウスの皆様は、リスク・リターンのバランスも経験し経済知識もある方々ですので、生保さんに任せることなく、自分で作る事が出来るのではないでしょうか。その自分年金の口座こそがNISA(少額投資非課税制度)なのです。
もちろん今は、毎年わずか100万円しかない非課税枠や、いったん売るとその枠ですら再び使えない事や、他の口座と損益通算できない事等、とても使いにくいツールです。しかし、今後は、100万円の枠が広がったり、枠内では何度売り買いしても良くなったり、他の口座と損益通算できるようになったりしていくと思います。今は口座で買う事ができるのは上場株式と株式投資信託だけですが、これから対象商品が広がる事も十分考えられます。つまりこのNISA口座は進化しながら、我々の資産形成・資産運用の大きな武器になり、かつゆとりある老後生活費の源泉の一つになって行くものなのです。また、そうならなければ、国民のゆとりある未来は極めて不安定になるのです。
再び申しますが、NISA口座は、証券会社の営業の道具ではありません。今から少しずつでもNISA口座に資金を流入させて、その中で独自の自分年金を作り上げるのが、資産形成とゆとりある老後生活費確保の一つの大きな道だと思います。
次回から具体的な投資の考え方を述べていきます。既に大きな資産を運用しているお客様には、有利な長期投資法として見ていただければ幸甚です。
平野 憲一(ひらの けんいち) |
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