【信用取引コラム 実践編】
 第10回 大敗を避ける(最終回)

2015.03.23

信用取引で成功した時の結果は、現物取引と大きくは変わりません。せいぜい儲けが現物取引より多くなる事位です。タイミング等テクニカル的違いは、前回までですべて述べて来ましたが、上がると思う銘柄を選択して買う事は現物も信用も同じです。信用取引は売りが出来ますが、売り買いの鞘を取るという事においては、買いから入ろうと売りから入ろうと同じ事です。

決定的に違うのは失敗した時です。予想外の失敗は株式投資をやっていれば、どこかで遭遇します。極端に予想に反した修正が出たり、ひどい時には破たん企業に当たってしまったりすると、当該株価は数分の一あるいは数十分の一に下落します。不思議な事に、この様なケースはロスカットルールを曖昧にしたり、使わなかったりしたときに良く起きます。この時現物株だけの投資でも、ダメージは大きいと思いますが、複数の銘柄に分散投資している前提で考えれば、資金が5分の1とか10分の一とかになる事は考えられません。少なくともリベンジ資金は確保されているでしょう。しかし、信用取引で、ロスカットルールを使わなかったり、曖昧にしたところでこのケースに遭遇したらアウトです。追証になるでしょうから、おそらく巻き返し困難なほど投資資金は減ってしまうでしょう。信用取引実践編での最後の注意事項は「大敗を避ける」になります。

儲け方は十分学んで頂けたと思います。自信を持って実行してください。ヘッジ売りのコツをご紹介しましたが、これは、売り建て枠は買いの為のへそくりという事で、ヘッジ比率を変化させながら逆風に耐えるテクニックです。しかし、これは小敗は防げますが大敗は防げません。

大敗を防ぐには、買う時にロスカット値段をしっかり決めておくことをお勧めしました。負けを先に決めておけば資金管理が出来ます。再起不能になる前に注意信号が見える事は勝負において有利です。

しかし、これは小技に過ぎません。大敗を防ぐ基本は、心構えとして、「潮時を見極め、負けを認める勇気」です。買った当該株が上がると思っているのは世の中で100人いるなどと思わない事です。確認できるのは1人(自分)だけだと言う事を自覚しながらすべてを判断する事です。

信用取引の実践は売買技術を格段に高めます。必然的に現物取引を含めた投資全般の技術を高める事になります。楽しい株式投資の為に日々勉強を続けましょう。

以上で最終回とします。有難うございました。

番外編

資金を増やし次のチャンスまで、この実践編をもう一度読んで楽しんでいてください。次のチャンス、信用取引をやっていて良かったと歓喜する時、それは、今回の相場が終わって大きな下げトレンドが始まった時です。

下げ相場が始まったら、現物投資ではどうしようもありませんが、この時こそ、信用取引の空売りで大儲けしましょう。下げ相場に参加できるのが、信用取引の最大の特徴ですから。

日本は残念ながら2050年までに人口が1億人ほどに減ります。限界都市が発表されて、日本中にショックを与えましたが、実際、数字の上では、毎年地方の大都市が1つずつ消えるわけですから大変です。社会の仕組みを維持するための増税で、相場が継続的に上がるとは思えません。買える銘柄は、世界企業に変身できるものや、人に代わる機械を作る企業位しか思い当りません。でも現在の世界規模の上昇相場で天井を売ろうなどと考えないで下さい。売るのに安すぎるという事はありません。はっきり相場が終わった事を確認してからで十分です。今の相場は、3年目に入ったアベノミクスと言う金融相場です。これから順調に景気・業績が良くなれば、業績相場に入ります。うまくいけば更に3年位業績相場が続くかもしれません。それが終わると、逆金融相場―逆業績相場と株価は下がり続けます。その時が来るまで、信用取引の技術を磨き上げましょう。



平野 憲一(ひらの けんいち)
株一筋40年マーケットアナリスト
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌など出演多数
日本証券アナリスト協会検定会員

~略歴~
1970年   立花証券株式会社入社
2006年   同社執行役員就任
2014年7月 個人事務所 K ASSET 代表マーケットアナリスト就任

ブログ『平野憲一の株のお話』


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  • 株式は株価変動等により損失が生じる恐れがあります。株式の発行者や組入れ有価証券の発行者の業務や財産の状況、市況の変化に伴い、株価や基準価額が変動することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じる恐れがあります。ETNは裏付けとなる資産を保有せず、発行体となる金融機関の信用力を背景として発行される証券であることから、発行体の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落する又は無価値となる可能性があります。これらにより生じる恐れがある損失の額は、預託した委託保証金の額を上回る恐れがあります。
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  • 建株に係る株主優待は、受け取ることはできません。
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