【投資信託コラム】
 第5回 コア・サテライト戦略

資産運用において、資産配分の重要性は高く、「運用成績の9割は資産配分で決まる」と言われています。そのため、ファンドを購入する前に資産配分についてしっかりと検討する必要があるでしょう。しかし、専門家と接点がない限り、自分にあった資産配分・ポートフォリオを組むことはやや難しいでしょう。そこで今回は、多くの機関投資家が採用する「コア・サテライト戦略」を紹介します。

【1】コア・サテライト戦略とは?

コア・サテライト戦略は、文字通り、ポートフォリオをコア(格)とサテライト(衛星)に分けて運用する戦略のことで、コア部分は長期的な視点に立ってインデックス運用する一方、サテライト部分はより高いリターンの獲得を目指し、戦略的もしくは短期的な視点でアクティブ運用します。ポートフォリオ全体として、過度なリスクとコストを回避しながら、市場平均を上回るリターンを追求するのが同戦略の特徴と言えます。

(図表1)コア・サテライト戦略(イメージ図)

出所 モーニングスター作成

【2】組み合わせによっては、低リスク・高リターンを実現

実際、同戦略は有効性があるのか検証してみましょう。コアには、国内株式・債券、海外株式・債券の代表的なインデックスファンドに投資したと仮定しています。また、サテライトには、バリュー株効果・小型株効果を享受するために小型バリュー株ファンドに、安定したリターンを得ながらも株高時には高パフォーマンスが期待できる転換社債ファンドに、先進国株よりも株価変動率が高い中国株ファンドに、そして高い利回りを求めてハイイールド債券ファンドに長期投資しています。なお、今回、計算を簡便化するために、「コア:4資産×20%=80%」、「サテライト:4資産×5%=20%」で投資し、リバランス時のコストは考慮していません。

過去10年間の累積リターンをみると、4資産のインデックスファンドのみに投資した「コア・ポートフォリオ」の1.6倍に対して、「コア・サテライト戦略」は1.7倍と相対的に優れた運用成績となっています(図表2参照)。また、「コア・サテライト戦略」の2014年12月末時点における過去10年間の標準偏差(年率)は、「コア・ポートフォリオ」に対して劣後したものの、1リスク当たりのリターンは優れています。以上のことから、コア・サテライトの組み合わせによっては、パフォーマンスは改善すると言えそうです。

(図表2)累積リターンの推移(2004年12月~2014年12月、月次)

※ コア・ポートフォリオ=モーニングスターインデックス「TOPIX連動型/類似(単純)」、「NOMURA-BPI(総合)連動型/類似(単純)」、「MSCIコクサイ(円ベース)連動型/類似(単純)」、「シティ世界国債(除く日本、円ベース)連動型/類似(単純)」に等比率で投資
※ コア・ポートフォリオ=モーニングスターインデックス「TOPIX連動型/類似(単純)」、「NOMURA-BPI(総合)連動型/類似(単純)」、「MSCIコクサイ(円ベース)連動型/類似(単純)」、「シティ世界国債(除く日本、円ベース)連動型/類似(単純)」に等比率で投資
※ リバランスは毎月実施(リバランス時のコストは考慮しない)
出所 モーニングスター作成

【3】自分にあったコア・サテライトを探してみよう!

それでは実際に、コア・サテライト戦略を用いてポートフォリオを構築する場合、どのようなファンドが候補になるでしょうか。

ファンドの将来の運用実績は不確実性が伴う一方で、コストはあらかじめ決まっており、リターンを確実に押し下げるものです。こうした点から、長期投資が前提となるコアには、管理が難しくコストが相対的に高いアクティブファンドは避け、広く分散投資された低コストのインデックスファンドを活用すると良いでしょう。今回、純資産額50億円以上のインデックスファンドを対象に、各資産・各投資地域で最もコストの低いファンドをピックアップしましたので参考にしてみてください(図表3)。

(図表3)コア向けファンド一覧

※ 2014年12月末時点
※ 一覧は、各資産・各投資地域で最も低コストのインデックスファンド(純資産額50億円以上)
※ 信託報酬等が同率の場合、純資産額降順
出所 モーニングスター作成

(図表4)サテライト向けファンド一覧

※ 2014年12月末時点
※ 一覧は、各資産・各投資地域で1年トータルリターンが最も高いファンド
出所 モーニングスター作成

一方、サテライトでは、より高いリターンを追求するために、一般的なアクティブファンドに投資するといった選択肢のほかに、特定の国や業種に投資するといった選択肢も挙げられます。今回は、ストックハウスが提供するファンドナビ「ファンド検索」ページより、項目「ファンドタイプ」の各投資地域内で、2014年12月末時点のトータルリターン(1年)が最も優れているファンドを資産ごとにピックアップしました(図表4)。図表4のように、急成長中であるインドのインフラ整備に着目し、「新生・UTIインドインフラ関連株式ファンド」に投資したり、より高い利回りを求め、「HSBC インドネシア債券オープン(毎月決算型)」に投資したりするのも一案でしょう。

なお、アクティブファンドはファンドマネジャーの運用スキルや市場環境などによって運用成績が左右されてしまいますので注意が必要です。ちなみに、分散効果を高めるためには、相関係数の低い資産を組み合わせることが重要です。相関係数については、第2回「相性の良い組み合わせ」で触れていますので、是非読んでみてください。

資産配分をどうするか、コアとサテライトにどのようなファンドを選ぶかなどは、投資家のライフステージや投資額、目標金額によって様々です。自分に適した資産配分は「ファンドらくらくナビ」で簡単に分かりますので、是非活用してみてください。


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