【投資信託コラム】
 第3回 「NISA」に適したファンド?

2014年から開始されたNISA(少額投資非課税制度)ですが、どのファンドを購入しようか迷っている投資家も多いと思います。NISAとは、年間120万円までの投資から生じる売却益及び配当・分配金収入が5年間非課税になる制度のことです。5年経過後、翌年の非課税枠に保有資産を移管する「ロールオーバー」という仕組みを使えば、計10年非課税メリットを享受できます。

【1】低コストのインデックスファンドに注目

長期投資において特に大切となるのがコストです。ファンドの主なコストとしては販売手数料と信託報酬があります。販売手数料は購入時に一度だけ支払うコストですが、長期の運用では信託報酬が重要となってきます。なぜなら、信託報酬は運用・管理費用のことで、投資信託を保有している間は継続的にかかるからです。信託報酬が1%なら、5年間で5%、10年間で10%リターンを押し下げます。そこで、信託報酬を抑えたファンドとして、指数への連動を目指す「インデックスファンド」がお勧めです。図表1を見ると、モーニングスターの類似ファンド分類「国内大型ブレンド」(割安株、成長株両方に投資する分類)に属するファンドの信託報酬等が1.3%なのに対し、「TOPIX(東証株価指数)連動型」のインデックスファンドは0.5%と半分以下に抑えられています。

(図表1)信託報酬等(税抜)の比較

※ 2018年7月末時点
※ 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向け、ファンドラップ向け、ETF等は除く)
※ それぞれの類似ファンド分類に属するファンドの平均値
出所 モーニングスター作成

【2】「複利効果」で資産を大きく増やすなら年1回決算型ファンド

コストのほかにNISAで大切なのが「複利効果」です。複利効果とは、運用で得た収益を再投資することで、利息が利息を生むことにより資産が雪だるま式に増えていくことを意味します。投資家には「毎月分配型」ファンドが依然として人気ですが、非課税メリットを最大限に活かすためにも、NISAでは分配頻度が少なく複利効果を得やすい「年1回決算型」ファンドを選ぶ方が良いでしょう。1年に5%のリターンがある資産に100万円を投資し、単利と複利で運用した場合、20年後に単利では200万円になっていますが、複利では265万円となり、大きく差が開きます(図表2参照)。

※立花証券ストックハウスでは分配金を自動で再投資する「再投資コース」の取り扱いはございません。分配金の再投資をご希望のお客様は、受け取られた分配金をご自身で対象の投資信託に投資していただく必要がございます。

(図表2)単利と複利の元利合計の違い

出所 モーニングスター作成

【3】「分散投資」でリスクを抑える

高いリターンを狙うのも大切ですが、そもそもマイナスでは非課税メリットが得られませんし、NISAでは損益通算もできないため、損をしない運用を心掛けましょう。シンプルに国内と海外(先進国)の株式と債券、4資産に分散するだけでも十分な分散効果が得られます。それでは実際に4資産に分散投資した場合のパフォーマンスを見てみましょう。2008年8月~2018年7月の各月末まで10年間投資した場合のリターン(年率)を示したのが図表3です。対象となる120カ月で10年間のリターンがマイナスとなった月はありませんでした。一方、国内株式のみに投資した場合、120カ月のうち約半分の53カ月でマイナスとなりました(図表4)。

(図表3)各月末までの4資産分散投資の10年リターン(年率)

※ 国内株式はTOPIX配当込み、先進国株式はMSCIコクサイ(除く日本)配当込み、国内債券はNOMURA-BPI総合、先進国債券はFTSE世界国債(除く日本)。海外指数は円換算。4つの指数に均等投資したパフォーマンス
出所 モーニングスター作成


(図表4)各月末までの国内株式の10年リターン(年率)

※ TOPIX配当込みのリターン
出所 モーニングスター作成

【4】バランス型ファンド1本で「分散投資」

複数のファンドを選ぶのが煩わしいという投資家には、バランス型ファンドがお勧めです。バランス型ファンドは1本持つだけで、複数の資産に分散投資できる便利さが魅力です。また、資産配分比率が当初定めた比率からズレてきたときに元に戻す「リバランス」も自動的に行われるため、適切な分散効果が得られます。自分で各資産を売買してリバランスを行うとNISAの非課税枠を消費してしまいますが、バランス型ファンドはファンド内でリバランスを行うため、その心配もありません。ファンドナビの「ファンドを探す」からモーニングスターカテゴリーの「バランス型」で指定して検索するとバランス型ファンドを簡単に見つけることができるので、是非参考にしてください。


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