【資産運用コラム じぶん年金・NISA編】
 第2回 資産運用・NISA重要性の意味

2014.11.26

前回の「既に始まっている危機」では少し悲観的になりすぎたかもしれません。もちろん、現役時代の給与が高かった方々は夫婦で30万円以上の公的年金が受け取れます。「ゆとりある老後生活費」37.9万円に達する方もいらっしゃると思いますし、そこまで達していなくても「老後の最低日常生活費」24.2万円以上の年金を受け取れる方は多いと思います。

更に、述べてきた国民年金と厚生年金を総称して公的年金と言いますが、補完的に存在するのが私的年金と称される多種の年金群です。代表的なものが企業年金です。企業によって内容は大きく異なりますが、退職金を年金で受け取る方法を使うと、退職金3,000万円くらいの高い人では20万円超の企業年金を受ける人もいます。彼らは公的年金と企業年金を合わせて、ゆとりある生活レベル以上の年金を受け取る富裕層サラリーマンと言えます。企業年金の代表的なものが確定拠出年金です。将来の企業負担を軽減するために出来た所謂日本版401Kと言われるもので、最近は多くのサラリーマンがこの確定拠出年金を利用して老後の人生設計に役立てようとしています。このように既にリタイアした世代は当面何とかなると考えている方が多いのではないでしょうか。

しかし、前回で述べたように、すぐそばに来ている東京オリンピック・パラリンピックの頃には現役世代2人でリタイア世代1人を支える事になり、公的年金の保証はないのです。資産家であるリタイア世代もしっかりとした資産運用が必要ですが、もっと切実なのが今の現役世代です。このコラムを読んでいる方は、悠々自適のリタイア世代の方が多いと思いますが、ご指摘しましたように100%安定した年金が受け取れる保証はないのです。ご年配の方はおそらく逃げ切れる(笑)と思いますが、お子様世代は現役世代になるはずです。現役世代を助けるためにも、資産運用の研究は必要です。ご年配のリタイア世代の方は、頑張って蓄積したお金を預金すれば高い金利、家を手にすれば土地神話ができるほどの値上がり、株式を購入すれば高度成長で何倍にも跳ね上がり、いつの間にか資産形成が出来た時代を経験しました。そして今多くの年金も受け取っています。しかし、今の現役世代はどのように資産形成をしたらいいのでしょうか。高額のローンを組んで家を購入しても、資産価値が上がるどころか目減りし、預金をいくらしても金利は限りなくゼロです。その中で、自力で老後のための資産を築き上げて行かなければなりません。大企業のサラリーマンでも、相対的に目減りしている給料を補てんする為に、退職金を月々の給料へ分割支給して織り込ませるシステムを選択する人が増えています。これからは莫大な退職金を貰えるサラリーマンは稀なケースになるでしょう。

NISAの事を日本版ISA(アイサ・個人口座)と言うように、もともと非課税個人口座そのものなのです。英国では普通に使われています。私が強く申し上げたいのは、今まで長々と前置きしましたように、NISAは政権の人気とりや、まして証券会社の営業の手段として作られたものではありません。少子高齢化により公的年金の破たんリスクに直面する事実を踏まえ、国が国民の為に用意した公的年金の補完ツールなのです。非課税とすることは、言うまでもなく国の徴税額が減る事です。日本の財政規律問題が叫ばれている現在、国は歳出・歳入のプライマリーバランスを図ろうと必死です。そのようなときに国から見れば出血大サービスのNISAと言う非課税政策は、それだけ重要な政策であるという事なのです。我々国民がそれを理解せず、十分に利用しないことは、非常にもったいない事です。また、このNISAを利用できるという事はそれだけの利金レベル・生活レベルを持っていると言うステータスでもあるのです。


平野 憲一(ひらの けんいち)
株一筋40年マーケットアナリスト
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌など出演多数
日本証券アナリスト協会検定会員

~略歴~
1970年   立花証券株式会社入社
2006年   同社執行役員就任
2014年7月 個人事務所 K ASSET 代表マーケットアナリスト就任

ブログ『平野憲一の株のお話』


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